九州の旅

2003年1月2日

いよいよ私自身としては3年ぶりとなる九州旅行の出発日が来ました。いつもは夜行列車で移動するのが主流ですが、今回は初めて飛行機を使います。と言うのも、この所各航空会社は(バーゲン型運賃)と言う破格の値段を設定する日があって、この日は日本エアシステム(以下JASと略します。)がお年玉ウルトラ割引と言うのを設定していて、私が今回利用する(羽田→福岡)の場合、通常期だと28,300円が9,400円と実に66%以上の大幅値引で空の旅を楽しむ事が出来ます。(つなみにこの制度、次回は3月14・15・16日に実施予定)さて、私の方のフライトとは言いますと、丁度午後のティータイムがフライトタイムになっていますので、昼過ぎに横浜駅東口からリムジンバスで羽田空港に向いました。羽田空港へは昨年の10月から京急電車が横浜地区からの直通電車の運転を始めていますが、バスの場合だと仮に1台見送ったとしても必ず座れるので、あえてバスを選びました。横浜駅から約35分で羽田空港国内線ターミナル南口に到着。早速JASのカウンターで行き、搭乗手続きと手荷物検査を行い、出発ロビーへ。14時20分過ぎ、いよいよ私が利用する(JAS313便)の搭乗が始まりました。搭乗口は自動化されていて、一人ずつ搭乗券を改札機に通して飛行機に乗り込みます。今回の乗る飛行機は日本の国内線では初の3つのクラスの席を搭載した、レインボー777(ボーイング トリプルセブン)です。

私は本来レギュラーシート(エコノミークラス)に乗る予定でしたが、1クラス上のレインボーシートと言う席がたった1,000円の追加で出来ると聞いたので、尋ねて見た所まだ空席があったので、1,000円の追加料金を払ってレインボーシートに着席しました。14時35分過ぎいよいよ離陸体制に入りました。機内には、ベルト着用サインが点灯し、乗客全員がベルトを着用しました。そして暫くしてから着用サインが消え、機内サービスが始まりました。主なサービスを紹介すると、このレインボー777には、全てのクラスにパーソナルテレビが設置されていて、紀行番組やミュージックビデオクリップ、など合わせて8つのチャンネルが用意されています。また時間帯によってはNHKニュースの録画放送も行っていて、この日はちょうど昼のニュースが3時間遅れでOAされていました。勿論、茶菓やオーディオサービスもあります。そして意外に知られていない事ですが、飛行中(シートベルト着用ランプが消えている場合)に限って、デジタルカメラとMDプレーヤーの使用が出来ると言うので、機内の写真を取りました。写真はレインボーシートの座席です。

オーディオサービスで浜崎あゆみの曲が流れている頃、飛行機は着陸体制に入り、JAS 313便は16時25分頃浜崎あゆみの故郷でもある、福岡に無事到着しました。福岡空港は市街地からそれ程離れていない場所にあって、陸の玄関である博多、九州最大の繁華街天神へは地下鉄空港線で直接行く事ができます。また、この地下鉄空港線は、JR筑肥線と相互直通運転を行っていて、一部は佐賀県の唐津まで運転しています。写真は地下鉄乗り入れ車としては、一番新しい、JR九州の303型車両です。

さて、初日の宿はどこか言いますと、福岡空港駅から地下鉄で3駅の祇園駅に程近い所にあるスカイコート博多ユースゲストハウス(YGH)です。この名称を、初めて聞いたと言う方もいるかも知れませんので、簡単に説明しますと、首都圏でマンション事業を展開している、スカイコート
グループのホテル部門にあたる(ホテルスカイコートチェーン)と言うのがあって、そのうちの今回泊まる博多店と東京・浅草店など全国4ヵ所のホテルスカイコートでは、シングルルームの一部をユースホステル会員に開放しています。それがユースゲストハウス(YGH)です。値段はその時々によって変わりますが、今回の宿泊費は1泊朝食と税・サービス料が入り丁度6,000円。YHとしては、かなり割高ですが、私は以前から一度は泊まって見たいYHの一つにリストアップしていましたので泊まれて光栄です。室内は言いますと、ごく普通のビジネスホテルと同じで、写真には写っていませんが、ユニットバス・エアコン・TV(BS1も見れます。)などが備えられています。

2003年 1月3日 朝食を済ませた後、ホテルをチェックアウトし、バスで福岡の繁華街、天神へ向います。ここから天神へは地下鉄と言う手もありますが、この地域を走る西鉄(西日本鉄道)の路線バスは、100円均一と言う破格の値段で走っています。と言うのも西鉄では積極的にバス事業を展開していて、既に2・3年前からJR博多駅と天神(西鉄福岡駅)までの区間で100円バスを実施。その後も範囲を広げ最近では福岡市内中心部をフリー区間とする(100円区間フリー定期券)と言うのも発売されています。そして、天神駅で西鉄電車を撮影した後、再び博多駅へ。予定では13時02分の、かもめ号を乗ろうと思ったんですが、昼食で時間が押し、しかも自由席なので、1時間遅らせて14時02分の列車に乗る事にしました。それまで少し時間があったので、博多駅で今度はJRの電車を撮りました。そして、13時40分頃まだ発車まで25分弱あるにもかかわらず、博多駅の3番乗り場には、もう既に14時02分発の長崎行き特急かもめ号が入っていて、自由席の乗車位置にはもう既に行列が出来ていました。

この電車は(白いかもめ)と言うニックネームを持つ6両編成の特急電車で、JRの特急電車では珍しい、黒の皮を生地とした座席が、特徴です。私は5号車の自由席に着席しましたが、自由席の車両が2両半しかない事から意外と混雑していて、博多駅発車間際にはデッキに立つ人もいました。博多駅を出て早々、車内検札が入り、切符を拝見。今回私が、利用したきっぷは、(長崎・佐賀ゾーン周遊きっぷ)と言う商品で、往復JRの他、行き又は帰りに飛行機を組み入れる事ができます。でも、最終目的地が長崎なのになぜ福岡が使えるか?と声も出てきそうですが、実はこの周遊きっぷは福岡県内の一部もフリー区間に入っていて、先程ご紹介した、福岡空港から出ている地下鉄と相互直通運転している、筑肥線・唐津線のそれぞれ全区間も乗り降り自由になっている為で、唐津を観光したい場合は博多駅をフリー乗降区間の入り口として使えます。(但し、地下鉄線内の運賃は自己負担)しかし、今回は唐津を訪れませんし、経由すると半日はロスしますので、あえて鹿児島本線経由で行く事にしました。そして博多を出ておよそ2時間、かもめ号は最終目的地の長崎に到着しました。駅に着いたらひとまず宿へ。と言う訳で2泊目の宿は、JR長崎駅から歩いて10分程の所にある、(長崎えびす YHです。)ここのYHの特徴は、とにかく小振りな事です。部屋の数がわずかに5つで収容人数が15人程と言う非常に小さなYHです。部屋の一例はと言いますと・・・

長崎と言えば夜景のきれいな街で有名で、稲佐山公園からは最高の景色が楽しめます。しかしこの日はあいにくの雨。でも、長崎には意外なスポットがあったんです。それは温泉に浸かりながら夜景を楽しめると言う、これ以上ない所をペアレントさん(喫茶店で言うマスター)が紹介してくれましたので、早速行って見る事にしました。それはどこかと言いますとJR長崎駅から車で10分程(日中は専用バスあり)、稲佐山公園へ通じる道路沿いにある、(イオス)と言う施設です。ここは、厚生労働省認定の温泉利用型健康増進施設で室内には、展望足湯・電気風呂・水風呂など合わせて10種類の温泉を楽しむことができます。そして、この施設の特長の一つが24時間営業で泊まることも出来る事です。この施設は8階建てになっていて、温泉に入る受付は3階。ホテルに入る受付(フロント)は、5階にあって、7階に和室・8階に洋室の部屋があります。またホテルに泊まるお金がなくても2,200円払えば(消費税と入湯税込み)2階にあるレストルームで仮眠を取る事が可能で最大、翌朝11時まで滞在する事ができます。

2003年 1月4日 日本列島は強い冬型の気圧配置に覆われ、九州地方でもこの日の朝7時前、福岡地方と北九州に(暴風雪警報)が発令。交通機関の運行状況を様子見しながらの長崎観光になりそうです。長崎観光はJRと路面電車で楽しみました。まず最初に1区間だけ乗ったのが、下の写真の右側のディーゼルカーで運転中の特急シーボルト号です。

ちょっと待って!特急料金払うのもったないじゃないか!と言う声も聞かれますが、私が今回の旅で使った、(長崎・佐賀ゾーン周遊きっぷ)は、長崎本線の鳥栖⇔長崎など指定された自由乗降区間では、特急列車の自由席にも乗る事が可能です。その上、これから向う平和公園は一つ先の浦上駅から路面電車に乗らなくてはならなかった事、さらに私が朝、長崎駅に着いた時ちょうど、この(シーボルト号)が止まっていたので今回乗って見る事にしました。しかし、このシーボルト号は来る3月15日に予定されているダイヤ改正で現在運転している区間から撤退。、他の線区に移籍して運転を続ける公算が強まっています。(1月9日現在、どこの線区に移籍するかは不明)そして現在、特急シーボルト号が走っている長崎⇔佐世保には、特急列車の時間帯に快速シーサイドライナー左側の青いディーゼルカー)が増発される事になっています。そうこうしているうちに、特急シーボルト号は浦上駅に到着。ここから長崎観光が本格的に始まります。まず訪れたのが、平和公園です。平和公園といえば広島にもありますが、広島と違って市内中心部から少し離れた所の丘の上に平和記念像があります。また公園から徒歩10分程の所には、原爆資料館があって、長崎に原爆が落とされた1945年(昭和20年)8月9日の出来事を紹介しています。ここからは観光地への移動は路面電車です。

長崎の路面電車には上の左側の写真のように、かつて、東京などで活躍していたものも、あれば、右側の赤い電車のような、最新式のものまで幅広い世代のたくさんの車両が4つの線区に分かれて運転しています。このうちJR長崎駅前からは、平和公園・浦上天主堂諏訪神社方面への電車が出ています。何よりうれしいのが値段です。東京の都電荒川線は160円均一ですが長崎の路面電車はなんと、100円!(いつかは訪れるかも知れない値上げになる前の日まで、ずーとそうです。)そして現在、JR長崎駅の観光案内所などでは、2月28日まで平和資料館やグラバー園など、市内の7施設の入場と路面電車が乗り放題の(長崎観光パスポート)と言うのが期間限定発売されていて、私はこれで市内観光を楽しんでいます。更に、来月(15年2月)1日から行われる(長崎ランタンフェスティバル)の開催に合わせ、長崎バスと各地のバス会社では来月、長崎発着の夜行高速バスで期間限定割引を決行。例えば、名鉄グループの名古屋観光日急バスと共同運行している、名古屋⇔長崎のグラバー号の場合、通常片道12,230円が、なんと一万円を切った9,700円と言う衝撃的な値段で行く事が出来ます。さて私の旅の方に話を戻して、次に訪れたのは次に訪れたのは諏訪神社です。ここは長崎駅から路面電車で約10分程の所にあって、今回の正月休みには長崎県内の神社・仏閣では最も多いおよそ19万人の人が初詣でに訪れたそうです。

午後に入り、次に向ったのはグラバー園です。ここは大浦天主堂のすぐそばにある施設で園内全体が丘陵地帯になっています。この為、入場すると頂上にたどり着くまでの間、エスカレーターを2本乗り継いで行きます。エスカレーターやエレベーターはこの所、交通バリアフリー法の施行に伴い、多くの鉄道の駅で導入が進められていますが、有料の観光施設でエスカレーターに乗ると言うのは、あまり例がなく、首都圏では江ノ島にある、エスカレーター(エスカー)ぐらいしか思い当たりません。そして頂上に上がると眼窩には長崎港の景色が出てきます。

夕方、外もだんだん暗くなってきたので長崎駅の方に戻ってきました。しかしここから混乱が始まりました。強い冬型の影響で長崎市内は雨に留まったものの、小浜町など県内の山間部は雪が降り続き、長崎自動車道やバイパスなどが雪の影響で通行止めになった為、JR長崎駅と福岡・北九州を結ぶ高速バスが夕方以降全便運休と、なり、長崎空港行きのリムジンバスも一般道路を経由する為、所要時間が最短55分の所が2時間半以上にずれ込む事態となっていて、JR長崎駅前にある県営バスターミナルでは(これから長崎空港に向われる方はJRで行くように)と言う告知がされていました。

一方JRはというと、夕方長崎本線長与支線で、列車と乗用車が衝突する死亡踏み切り事故が発生。この影響で長与支線は一時列車の運転を見合わせました。この為長崎本線の本体も影響が出て、博多行きの特急かもめ号が5分遅れで発車したり、佐世保からの快速シーサイドライナーが25分遅れで長崎に到着したりするなどの影響が出ました。19時50分過ぎ、いよいよ28時間弱滞在していた長崎の街ともお別れです。今回乗る列車は寝台特急あかつき号で寝台特急としては珍しい、普通車指定席が連結されています。これは(レガートシート)と言う3列座席の車両で,一部は女性専用座席となっています。つなみにレガートシートの車内はこんな感じです。

そして、雪の方は列車が北上するに連れ、激しさを増し、博多の手前の南福岡駅付近では、学校のグランドが一面真っ白になっていました。23時40分頃門司駅に到着、相変わらず雪が降り続いています。そしてここでアクシデント発生。この寝台特急あかつき号はここ(門司駅)から終点の京都までは、南宮崎からの彗星号と一緒に(併結して)走ります。がその彗星号が大分県内での雪の影響で大幅に遅れて運転している模様で、ここで暫く足止めとなりました。しかしその頃私は、もう既に眠りに着いていたのでどう言う状況かは分かりませんでしたが、午前4時頃に広島駅付近を通過した頃に目がさめたので、まあーこれは1時間前後は遅れているなーと感じました。そして午前5時半、福山駅を68分遅れで出発した頃緊急放送が入りました。緊急放送と言うのは夜行列車の場合は、深夜時間帯(このあかつき号は、佐賀発車直後から翌朝6時半頃まで)特別なお知らせがない限り、放送を休止していますが、万一、休止時間中に事故や車両故障などで運転を見合わせてたり、接続列車に間に合わなく恐れが出てきた場合に限って車内放送を入れます。これが緊急放送です。それによりますと、(新大阪駅から、新幹線のぞみ4号・ひかり110号こだま402号並びに京都駅から特急まいづる1号に乗り継がれるお客様は車掌までお申し出ください。岡山駅で駅社員がご案内させて頂きます。)との事、どうやら該当列車への乗り継ぎ客は岡山から新大阪まで山陽新幹線への振替輸送になった見たいです。そして列車は85分遅れで姫路駅を発車したしてすぐに運転停車。なんとここで新快速電車に道を譲る事になったんです。車内アナウンスでは(信号待ちです少々お待ち下さい。)に留まったものの、暫くしても動かないので、おかしいなーと思っていたその時、姫路始発の新快速電車がものすごいスピード通過して行きました。そして午前9時、あかつき・彗星号は
実に1時間40分(100分)の遅れで大阪駅にようやく到着。あと20分遅かったら規定により、特急料金を返還する所でした。

本来のスケジュールでは、大阪で少し遊べるつもりだったので、大阪駅のみどりの窓口で新幹線を遅くしてもらおうかと思ったんですが、この日はUターンラッシュのピークで新横浜までの場合だと、正午発車のこだま号のグリーン車しか空いていないと言われてので、仕方なく、新大阪駅へ。そして大阪駅到着からわずか2時間後の午前11時、新大阪始発のこだま412号は定刻通りに新大阪を出発。約4時間の長旅を終え、15時前に新横浜駅に到着しました。