札幌往復62時間

2001年7月31日

今回の旅は、2002年最大のスポーツイベントだった、FIFAワールドカップの予選リーグで一番のビックマッチとなった、アルゼンチンVSイングランドの試合が行われた、札幌ドームへ往復列車で行って参りました。世間的には北海道へ行くには飛行機が主流ですが、夏休み期間中は、いわゆるバーゲン型運賃の設定がまずない事。それに開業してから10年以上経過しているのに、未だ青函トンネルをくぐっていない事から、今回は往復とも列車で行く事にしました。北海道へ列車で行くとなると、寝台特急北斗星を連想する方も多いと思いますが、仮に北斗星を使うと、上野から札幌まで、最も安いB寝台でさえ、(注)23,520円もかかります。(注 今年の12月からは、東北本線の盛岡⇔八戸が第3セクター化 される為、運賃が値上げになる見通しです。)そこで私は少しでも安く札幌へ行く為に、色々な工夫をこなしました。それは追々話すとして本題に入りたいと思います。初日は通勤ラッシュもとっくに終わった10時半過ぎに横浜駅を出発。途中上野駅で宇都宮線に乗換えて、大宮に向います。

この車両は、231型と呼ばれる新型車両で、昨年12月からは湘南新宿ラインが開業した事もあって、横浜市内でも見かけるようになりました。上野から25分で大宮に到着。ここで東北新幹線に乗換えます。実はここで、安くする工夫をしかけて置いたんです。東北新幹線は東京駅が起点ですが、ここ大宮から乗ると普通に買った場合でも、特急料金が520円も安くなります。その上私は、金券ショップでJR東日本の株主優待券を2枚購入。これを使えば、4割引になる為、優待券の分を足しても、通常なら13.110円かかる所が、11,470円で行けました。そして12時30分、大宮駅をやまびこ13号で出発。本来ならこの列車は、秋田新幹線こまち号と一緒に運転しますが、この日は秋田地方の大雨の為、やまびこ号だけの単独運転となりました。大宮から2時間10分程で盛岡に到着。ここから青春18きっぷでの長く、そして過酷な移動が本格的に始まります。盛岡15時17分発の普通列車八戸行きは、701型車両の2両編成でしかもロングシート、青春18きっぷを使う人にとってここは鬼門の区間として知られています。

そして盛岡から204キロ、時間にして4時間20分でようやく青森駅に到着。ここで津軽海峡線(快速海峡13号)に乗換えます。快速海峡号は青函トンネルが開業した、昭和63年から今日まで運転されてきましたが、今年の12月に予定されている大規模なダイヤ改正で、昼間の海峡線の列車はすべて電車特急(白鳥)に生まれ変わる事になり、海峡号の運転期間も残りあとわずかとなりました。その快速海峡13号は20時24分に青森を出発、途中青函トンネルをはじめて潜り、午後11時前に函館駅に到着。隣りのホームには、夜行快速列車のミッドナイト号が既に出発を待っていて、私も
そちらに向いました。この快速ミッドナイト号は、函館と札幌を運転している夜行の快速列車で青春18きっぷが使える期間を中心に運転されてきました。しかし残念な事に、この列車は12月の改正で廃止になる事になり、快速海峡号も姿を消す事になっている事から、18きっぷユーザーの定番コースとして知られていた、快速ムーンライトえちごを振り出しに日本海側を北上し快速海峡号→ミッドナイト号の夜行2連泊乗り継ぎ(新宿駅から札幌駅までの所要時間は、およそ31時間21分)も2002年の夏でおしまいとなってしまいました。さて本題に戻り、夜行快速は、23時30分函館を出発。車内は道内各地へ向う観光客などで結構混雑していました。

8月1日午前6時半、横浜を出て18時間。ついに札幌駅に到着。朝食後、いよいよ観光の時間がスタートします。まず最初に訪れたのは、大通から地下鉄東西線で15分程の宮の沢地区にある、(注)2003年シーズンのJ2降格にリーチがかかってしまった、J1コンサドーレ札幌の練習場です。

注 2002年10月20日現在)私が行った時は、98年フランスW杯の日本代表監督を務めていた、岡田武史氏が監督を務めていましたが、2001年シーズン終了と共に、辞任。その後、ドーハの悲劇の時の日本代表キャプテンであった、柱谷哲二氏を新監督に向えたものの、W杯による中断前の段階でわずか1勝しかできず(余談ではあるが、1勝した時のサッカーくじ(toto)の1等は1億円!)遭いなく解任。その後も低迷に歯止めがかからず、2002年のJ1第2ステージは第9節を終えて0勝8負1分けと未だ1勝もできず、実に2ヶ月以上勝利から見放されている状態が続いている。サッカーの話はここまでにして、観光に戻ろう。この宮の沢地区には、北海道銘菓の一つである(白い恋人)の直売所がある。一時期、コンサドーレのユニフォームに(白い恋人)と言うロゴが入っていたんで、一体なんだろうと思っていたが実は、これを製造している、石屋製菓と言う所がコンサドーレのチームスポンサーになっていて、コンサドーレサブレと言うのも、ここから発売されている。その直売所の隣りがコンサドーレの練習場となっていて、場名もその物すばり、(宮の沢白い恋人サッカー場)と言うんですから。そして宮の沢から地下鉄で中心部に戻った所で昼食の時間です。札幌と言えばなんと言ってもラーメンです。中でもラーメン横丁は、観光客は勿論、中心部で働くビジネスマンも来る人気スポットです。

ラーメン横丁でラーメンを食べた後、お土産を手配してから市電に体験乗車しました。

夕方、いよいよ今回の観光のメーンとなる札幌ドームへ向います。

一番最初に言った通り、ここは、2002FIFAワールドカップの会場の一つして、予選最大の好カード、デビットベッカム率いるイングランドと、バティストウータ率いるアルゼンチンの試合など予選リーグ3試合が行われましたが、ここは、特殊な機械によって、サッカー用から野球用に変身できるようになっていて、私がドームに行った日はプロ野球のファイターズVSブルーウエーブの試合が行われ、ドームの中を散策しながら観戦も楽しみました。上の写真に小さく丸くでっぱているものがありますが、ここはドーム展望台といってここから、札幌の街を見下ろせる事ができます。但し、ドームで何だかのイベントが行われる場合は、展望台への入場を中止したり、営業時間を短縮する事もあるそうなので、行く際は注意が必要です。札幌ドームの最寄り駅である福住駅から、地下鉄で再び、札幌駅に戻り、駅から数分歩いた所にあるのが、今回の宿、札幌ハウスYHです。

8月2日 YHをチェックアウトしても、まだ時間に余裕があったので今度はテレビ塔の方に足を伸ばしてみたいと思います。

 

テレビ塔は,首都圏で言えば、東京タワーと同じ役目をもっていて、ここから、地上波のTVが札幌近郊に発信されています。ここの展望台からは、市内の景色を堪能する事ができます。

そして昼、ミッドナイトの到着から29時間半余り、いよいよ札幌の街ともお別れです。ここから特急列車3本を乗り継いで東京へ向います。その1本目は、スーパー北斗号です。

この車両は、94年に登場した、キハ281型と呼ばれている、新型特急気動車で、札幌と道南の玄関口函館を3時間10分程で結んでいます。また、姉妹版として、車内を大幅にグレードアップした、キハ283型特急気動車もあり、こちらは、主に釧路への、スーパーおおぞら号で使われています。12時15分過ぎに、札幌を出たスーパー北斗号は、15時半前に函館駅に到着。ここですぐに、盛岡行きのはつかり号に乗換えます。この特急はつかり号は、20年前から、盛岡⇔青森で運転をはじめ、その後青函トンネルの開業により一部の列車が函館まで乗り入れて現在に至っていますが、今年12月の東北新幹線八戸延伸により、はつかり号は廃止され、八戸と函館を結ぶ,電車特急(白鳥号)として生まれ変わる事になっています。この白鳥の一部には速達タイプの(スーパー白鳥)として運転するものも、出る予定で、下の写真のスーパーはつかり号も、12月からは(スーパー白鳥)として運転される予定です。

函館から、およそ4時間10分で次の乗換駅、盛岡に到着です。ここで今度は秋田新幹線のこまち28号東京行きに乗換えます。秋田新幹線は、先に開業した山形新幹線つばさ号と同じ在来線の線路を新幹線用に改修した、いわゆる(ミニ新幹線)で東北新幹線の駅で乗り降りする場合は、車体が少し小振りの為,足元の部分にステップが出てきます。また普通席の車内は、在来線の特急と同じ4列座席です。

そして、札幌を出て10時間15分経過した、22時32分、東京駅到着。長かった1200キロの大移動は無事終了し、今回の旅を終えました。